爪のDesmoplastic Melanomaの1例

Desmoplastic melanoma of the nail

52歳，女性。4年前，右第3趾爪甲に色素線条が出現した。1週間前に後爪郭の3mm大の褐色斑に気づいた。爪甲全体が濃淡不整な褐色を呈し，ダーモスコピーでは爪甲全体に濃淡のある淡褐色線条帯と幅が不整な細線条，Hutchinson signを認めた。Melanoma in situと診断し，爪甲と色素斑から2～3mm離して末節骨直上で切除した。病理組織像では，爪上皮と後爪郭の表皮内に異型メラノサイトが孤立性または胞巣状に，爪床の真皮では紡錘形の異型メラノサイトが膠原線維の増生を伴って増殖していた。神経浸潤がみられた。以上からdesmoplastic melanomaと診断した。右第3趾離断術，右鼠径センチネルリンパ節生検，リンパ節郭清を施行した。T1aN1aM0，Stage ⅢAと診断した。爪に生じたDMではセンチネルリンパ節生検を行うことが望ましい。