Japanese
English
症例
帯状疱疹様の配列を示しエリブリンメシル酸塩が奏効した乳癌皮膚転移の1例
Zosteriform metastasis of breast cancer successfully treated with eribulin mesylate
神﨑 美玲
1
,
長倉 成憲
2
,
高久 秀哉
2
Mirei KANZAKI
1
,
Shigenori NAGAKURA
2
,
Hideya TAKAKU
2
1水戸済生会総合病院,皮膚科,主任部長
2同,消化器一般外科・乳腺外科
キーワード:
転移性皮膚癌
,
帯状疱疹様皮膚転移
,
乳癌
,
HER2
,
エリブリンメシル酸塩
Keyword:
転移性皮膚癌
,
帯状疱疹様皮膚転移
,
乳癌
,
HER2
,
エリブリンメシル酸塩
pp.429-433
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003166
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74歳,女性。6年前にHER2陽性乳癌(T2N2aM0 Stage ⅢA)と診断され,トラスツズマブを軸とした併用化学療法を受けていた。1年半前に癌性胸膜炎,8カ月前に骨転移をきたし,2カ月前より胸部に痛みを伴う紅斑が出現して徐々に増数してきた。左胸部に爪甲大までの浸潤性紅斑が多発し,脊髄神経の支配領域に沿って帯状の配列を示していた。病理組織学的には,真皮の膠原線維間にHER2陽性の腫瘍細胞が浸潤しており,乳癌の皮膚転移と診断した。エリブリンメシル酸塩が奏効し,皮膚病変は3カ月で完全に消失したが,後腹膜転移をきたして永眠した。担癌患者に帯状疱疹様の浸潤性紅斑や結節をみた際には,転移性皮膚癌の可能性を想起し皮膚生検を行うべきである。
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