憧鉄雑感
第115回 座長……その栄職
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団 廣仁会 札幌皮膚科クリニック
pp.1743-1743
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002907
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名前を呼ばれ舞台に出てゆく。眩しいぐらいに明るい檀上から客席を臨むと,御高名な先生をはじめ多くの聴衆が今や遅しと師匠の登壇を待っていた。時は本年開催された第120回日本皮膚科学会総会。六代目三遊亭円楽師匠の文化講演会の座長は,他ならぬ筆者であった。通例,このような名誉ある重責は,名誉教授レベルの先生が担当されるのであるが,会頭の大槻マミ太郎先生の御顧慮に感謝の念とともに,僭越ながらこの晴れがましい舞台に立たせていただいた。筆者の父が真打の落語家である故であろう。尤も,父は医師免許も有しており,さらに三遊亭ではなく春雨や一門である。これまで,自らの不勉強が祟って座長経験など殆どない筆者が,円楽師匠の座長など,リトルリーグの野球少年がいきなり大リーグマウンドに立つようなものである。大変な名誉であり,恐らくこの瞬間が筆者の皮膚科医人生のなかで頂上であることは間違いない。
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