ジェルネイル後に手指疼痛をきたした1例

Finger pain occurring after gel nails

48歳，女性。ジェルネイルをした当日から指尖に強い疼痛が出現した。初診時，すべての指尖に紫斑と強い疼痛を認めた。ジェルネイルを除去したところ紫斑は消退したが疼痛は続き，一部爪甲が脱落した。接触皮膚炎を疑う症状はみられなかった。ジェルネイルは前処置として爪やすりや機械を使用して前回のジェルネイルを削り取る。自験例ではジェルネイルを頻繁に施行されており，爪床，爪母への外傷や，爪甲の菲薄化があり疼痛が出現したと考えた。ジェルネイル除去後も疼痛が遷延したのは，喫煙歴やリンパ節郭清を伴う乳癌手術による影響も否めない。施術前の手指の皮膚の状態や既往症に関する問診が大切である。