Japanese
English
症例
免疫抑制患者に生じ壁に伝染性軟属腫小体を有した表皮囊腫の1例
Epidermal cyst with molluscum bodies in a immunosuppressed patient
飯島 孝四郎
1
,
伊藤 理恵
1
Koshiro IIJIMA
1
,
Rie ITO
1
1埼玉協同病院,皮膚科(主任:伊藤理恵部長)
キーワード:
伝染性軟属腫
,
表皮囊腫
,
免疫低下
Keyword:
伝染性軟属腫
,
表皮囊腫
,
免疫低下
pp.1425-1430
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002801
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42歳,女性。慢性好酸球性肺炎にてプレドニゾロン5mg/日を内服していた。受診約12カ月前に息子が伝染性軟属腫に感染し,同時期より左大腿部に紅色丘疹が出現し,緩徐に増大した。初診時,径4mm大の半球状の淡紅色小結節を認めた。組織学的に毛包漏斗部は膨化し,その下部に重層扁平上皮で構成された囊腫が形成され,いずれも上皮内に軟属腫小体がみられた。表皮囊腫と伝染性軟属腫はありふれた疾患にもかかわらず,表皮囊腫壁に伝染性軟属腫小体を有した症例はごく少数報告されるのみである。発生機序についてはいくつか議論されているが,自験例では接触感染により伝染性軟属腫ウイルスが経毛包的に侵入,囊腫形成に至ったと考えた。
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