Japanese
English
症例
爪甲紅色線条を呈した爪乳頭腫の1例
Onychopapilloma presenting with longitudinal erythronychia
椎谷 千尋
1
,
種本 紗枝
1
,
宮本 樹里亜
1
,
天谷 雅行
1
,
齋藤 昌孝
1
Chihiro SHIIYA
1
,
Sae TANEMOTO
1
,
Julia MIYAMOTO
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Masataka SAITO
1
1慶應義塾大学医学部,皮膚科(主任:天谷雅行教授)
キーワード:
爪乳頭腫
,
onychopapilloma
,
爪甲紅色線条
,
erythronychia
Keyword:
爪乳頭腫
,
onychopapilloma
,
爪甲紅色線条
,
erythronychia
pp.1417-1419
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002799
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45歳,男性。左拇指爪甲の爪半月から爪甲遠位端まで伸びる幅2mmの紅色線条がみられた。爪甲遠位端には爪甲下に角質の付着を認め,同部位に非常に強い圧痛の訴えがあった。ダーモスコピーでは爪甲の下面が軽度陥凹しており,陥凹部では角質塊がみられた。紅色線条をすべて切除したところ,病理では紅色線条部の爪甲の低形成に加えて,爪床表皮の乳頭状増殖と真皮浅層の毛細血管拡張の所見を認めた。臨床および病理所見より,爪乳頭腫と診断した。術後速やかに疼痛は消失し,明らかな爪甲の変形も残さなかった。爪甲紅色線条を呈する疾患はいくつか知られており,そのひとつが爪乳頭腫である。爪乳頭腫はその病因や病態が未だ不明なこともあり,貴重な症例と考え報告した。
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