Japanese
English
症例
表層性食道粘膜剝離症から喉頭浮腫をきたした尋常性天疱瘡の1例
Pemphigus vulgaris with laryngeal edema and superficial exfoliation of esophageal mucosa
新田 悠介
1
,
石河 軌久
1
,
佐藤 輝幸
2
,
垂石 羊司
2
,
河野 通浩
3
Yusuke NITTA
1
,
Norihisa ISHIKAWA
1
,
Teruyuki SATOH
2
,
Yoji TAREISHI
2
,
Michihiro KONO
3
1秋田県厚生農業協同組合連合会大曲厚生医療センター,皮膚科(主任:石河軌久科長)
2同,耳鼻咽喉科(主任:垂石羊司科長)
3秋田大学大学院医学系研究科,皮膚科学・形成外科学講座(主任:河野通浩教授)
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
粘膜優位型
,
表層性食道粘膜剝離症
,
喉頭浮腫
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
粘膜優位型
,
表層性食道粘膜剝離症
,
喉頭浮腫
pp.1274-1278
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002749
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
49歳,女性。難治性の口腔内潰瘍があり,抗デスモグレイン3抗体陽性。口腔内潰瘍からの生検では,病理組織学的に棘融解を伴う基底細胞直上からの表皮内水疱の所見がみられた。全身の皮膚には症状なく,粘膜優位型尋常性天疱瘡の診断で,プレドニゾロンの内服加療を開始した。その2カ月後,突然に筒状の食道粘膜を吐出,さらに吸気性喘鳴も出現し,喉頭浮腫を合併した表層性食道粘膜剝離症と診断した。デキサメタゾン点滴により喉頭浮腫の軽快後,プレドニゾロンの増量投与と免疫グロブリン大量静注療法を施行した。粘膜病変を伴う天疱瘡患者に生じた急速な呼吸困難においては,喉頭浮腫の可能性を念頭に迅速な対応が必要となる。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.