Japanese
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特集 間葉系腫瘍
手指に生じた腱鞘線維腫
-—結節性筋膜炎と鑑別を要した1例—
Fibroma of tendon sheath differentially diagnosed from nodular fasciitis
池田 智行
1
,
八田 尚人
1
,
石井 貴之
1
,
石澤 伸
2
,
齋藤 敦
3
Tomoyuki IKEDA
1
,
Naohito HATTA
1
,
Takayuki ISHII
1
,
Shin ISHIZAWA
2
,
Atsushi SAITO
3
1富山県立中央病院,皮膚科(主任:八田尚人部長)
2同,病理診断科
3皮ふ科さいとう,富山市
キーワード:
再構成
,
軟部腫瘍
,
FISH
,
USP6
Keyword:
再構成
,
軟部腫瘍
,
FISH
,
USP6
pp.1206-1208
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002732
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29歳,男性。1カ月前から右示指に硬結が出現した。指の側縁に表面に潮紅を伴う径12mm大の硬い結節があった。超音波検査で腫瘤は腱と接していた。病理学的に膠原線維の増生とともに,紡錘形の腫瘍細胞が不規則・錯綜して増殖しており,異型性は認めなかった。巨細胞や泡沫細胞なし。α-SMA陽性,desmin陰性。Fluorescence in situ hybridization(FISH)法でUSP6の転座を示唆する所見なし。Reverse transcriptase(RT)-PCR法でMYH9-USP6融合遺伝子陰性。結節性筋膜炎との鑑別が困難であったが,腱鞘線維腫と診断した。最近,結節性筋膜炎や腱鞘線維腫発症における遺伝子異常が明らかになりつつあり,細胞遺伝学的検査が診断の一助になることが示唆された。
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