Japanese
English
症例
メトロニダゾール内服が奏効した酒皶様皮膚炎の2例
Two Cases of Rosacea-like Dermatitis Successfully Treated with Oral Metronidazole
堤 真宏
1,2
,
松田 光弘
1
,
名嘉眞 武国
2
Masahiro TSUTSUMI
1,2
,
Mitsuhiro MATSUDA
1
,
Takekuni NAKAMA
2
1大牟田市立病院,皮膚科
2久留米大学医学部,皮膚科学教室(主任:名嘉眞武国教授)
キーワード:
メトロニダゾール
,
酒皶様皮膚炎
,
毛包虫
,
Toll-like receptor 2
,
ミノサイクリン塩酸塩
Keyword:
メトロニダゾール
,
酒皶様皮膚炎
,
毛包虫
,
Toll-like receptor 2
,
ミノサイクリン塩酸塩
pp.1611-1615
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002220
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
77歳と82歳の女性。2症例とも顔面の紅斑にステロイドを外用していたが,症状が増悪した。顔面の広範囲に紅斑,毛細血管拡張,丘疹,膿疱を認め,直接鏡検にて毛包虫を多数認めた。病理組織学検査結果も合わせ,酒皶様皮膚炎と診断した。メトロニダゾール1500mg/日の内服により症状は改善した。酒皶様皮膚炎は,自然免疫の関与が示唆されているが不明な点が多く,確立した治療法はない。メトロニダゾールは,毛包虫に対する効果と反応性酸化物質の抑制などの抗炎症作用により本症に効果があると考えられている。テトラサイクリン系抗菌薬が使用できない症例や,無効例において有用と考える。特に,毛包虫が検出された症例では積極的な使用も考慮される。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.