特集 抗菌薬の選び方・変え方・やめ方
抗菌薬の選び方
〈薬剤編〉
メトロニダゾール,クリンダマイシン
酒匂 崇史
1
,
荒岡 秀樹
1
1虎の門病院臨床感染症科
キーワード:
メトロニダゾール
,
クリンダマイシン
,
嫌気性菌感染症
,
毒素抑制
,
Dゾーンテスト
,
組織移行性
,
有害事象
Keyword:
メトロニダゾール
,
クリンダマイシン
,
嫌気性菌感染症
,
毒素抑制
,
Dゾーンテスト
,
組織移行性
,
有害事象
pp.788-791
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620060788
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Point
◎メトロニダゾールは中枢神経を含め組織移行性に優れており,脳膿瘍などの感染症に使用可能である.Bacteroides属のメトロニダゾール耐性は稀である.
◎メトロニダゾールは好気性菌に活性を有する抗菌薬と併用することが多い.また単独でもClostridioides difficile感染症(CDI)に対する治療選択肢となる.
◎メトロニダゾールは経口投与でも高い血中濃度を達成するため,有害事象を避けるために一部の例外を除き内服療法での使用をまず考慮する.
◎クリンダマイシンは骨をはじめとした組織に良い移行性を有するが,下痢やCDIといった有害事象に留意する.
◎クリンダマイシンをStreptococcus属,Staphylococcus属に対して使用する際には,エリスロマイシンの感受性やDゾーンテストなど感受性確認検査の結果に留意する.

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