巻頭言
皮膚アレルギー疾患と向き合って
加藤 敦子
1
Atsuko KATO
1
1大阪回生病院皮膚科,部長
pp.1261-1262
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002116
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皮膚アレルギー疾患と向き合って28年近くになるが,本当に奥深い世界だと思う。次々と新知見が明らかになるので,絶えずアンテナを張り巡らせている必要がある。経皮感作から食物アレルギーが引きおこされることが判明したときは,目から鱗が落ちるとはこのことかと感動した。以前報告したパティシエのprotein contact dermatitisと口腔アレルギー症候群の合併例などは,この観点からであればすっきりと理解できたのである。教科書に書かれていることがすべてではなく,まだ解明されていない人体の仕組みはたくさんある。そのことをたえず頭の片隅におきながら臨床をしていくことは大切だと痛感している。新知見を得ることは,注意すればそこかしこに存在しているかもしれないのだ。
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