Japanese
English
症例
挟瞼器および皮膚トレパンの使用が有効であった下口唇小唾液腺唾石症の1例
Sialolithiasis of the Minor Salivary Glands in the Lower Lip, Diagnosed and Treated with Entropion Forceps and Torepan
野崎 尋意
1
,
加藤 直樹
1
,
飯沼 晋
2
,
本間 大
2
,
山本 明美
2
Hiroyoshi NOZAKI
1
,
Naoki KATO
1
,
Shin IINUMA
2
,
Masaru HONMA
2
,
Akemi ISHIDA-YAMAMOTO
2
1市立稚内病院,皮膚科
2旭川医科大学,皮膚科学講座(主任:山本明美教授)
キーワード:
挟瞼器
,
皮膚トレパン
,
下口唇
,
小唾液腺
,
唾石症
Keyword:
挟瞼器
,
皮膚トレパン
,
下口唇
,
小唾液腺
,
唾石症
pp.1235-1238
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002100
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76歳,男性。右下口唇に生じた小唾液腺唾石症を経験した。痛みのない口唇腫脹を主訴に来院し,生検時に白色小麦粉状の小結節が複数流出した。病理組織学的に真皮内の石灰化物を認めた。小唾液腺唾石症は,大唾液腺(顎下腺,耳下腺,舌下腺)唾石症と比べ,まれで発症年齢が高いという特徴がある。また,大唾液腺唾石症では,その半数以上で有痛性病変を呈するが,小唾液腺唾石症では,通常,無痛性結節性病変を呈する。小唾液腺で生じる唾石は,長径が平均2.1mm,最大でも4.5mmまでと報告されており,生検を考慮する場合は4mm皮膚トレパンの使用が有用と考えた。また,挟瞼器を併用することで,出血コントロールが容易であった。
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