特集 付属器疾患 その疑問にお答えします! — ニキビから巻き爪まで Q&A50 —
第Ⅰ章 毛
Q3 円形脱毛症の診断と治療について教えてください。
伊藤 泰介
1
Taisuke ITO
1
1浜松医科大学,皮膚科学講座
キーワード:
円形脱毛症
,
ダーモスコピー
,
感嘆符毛
,
局所免疫療法
,
squaric acid dibutylester
Keyword:
円形脱毛症
,
ダーモスコピー
,
感嘆符毛
,
局所免疫療法
,
squaric acid dibutylester
pp.694-699
発行日 2020年5月30日
Published Date 2020/5/30
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001967
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
円形脱毛症の診断は,多くの場合,その経過や脱毛斑の性状によって判断されますが,なかには診断に苦慮する症例もあります。その場合,ダーモスコピーによる毛孔所見,皮膚生検などから判断します。円形脱毛症の最初の標的は主にメラニン産生のある成長期毛ですが,経過とともに白髪も脱毛します。脱毛症状はいろいろで「円形」にこだわる必要はありません。単発から多発型,全頭型,蛇行型,体毛も脱毛する汎発型,一方で体毛のみや睫毛,眉毛,髭のみの場合もあります。病理学的には,毛包周囲に稠密な炎症細胞浸潤がみられますが,その程度は病勢にもよります。治療はガイドラインに詳述されています。局所免疫療法は,ステロイド局所皮内注射とともにもっとも推奨される治療ですが,試薬の準備などの点で施行可能な施設は限定されます。急性全頭性に脱毛する場合には,ステロイドハーフパルス療法を検討します。治療選択は,病変部の範囲と病勢を踏まえたうえで選択すべきです。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.