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特集 最近のトピックス1996 Clinical Dermatology 1996
4 治療のポイント
円形脱毛症のSADBE療法の長期観察
Long term observation of topical squaric acid dibutylester therapy for alopecia areata
高木 美樹
1
,
伊藤 雅章
1
Miki TAKAGI
1
,
Masaaki ITO
1
1新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
キーワード:
円形脱毛症
,
squaric acid dibutylester(SADBE)
,
局所免疫療法
,
長期観察
Keyword:
円形脱毛症
,
squaric acid dibutylester(SADBE)
,
局所免疫療法
,
長期観察
pp.123-127
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901853
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Squaric acid dibutylester(SADBE)を用いた局所免疫療法を行い,4年以上加療している円型脱毛症患者35例について,その治療経過をまとめた.発症年齢は6ヵ月から46歳,観察期間は4年から18年.治療開始時の病型は多発性通常型13例,ophiasis型3例,全頭型10例,汎発型9例だった.髪の占める面積を指標とした治療効果のパターンから3群に分類した.Group I(効果良好群):広範な脱毛例だが治療に十分な効果を示し,再発しても治療の再開により速やかに回復した.思春期以降発症の女性例が多かった.Group II(効果不良群):広範な脱毛例で,治療に当初から効果のない例と効果が徐々に減弱する例がみられた.発症が低年齢の例が多かった.Group III(効果不十分群):中等度脱毛例で,ある程度の効果はあるが十分とは言えなかった.低年齢発症で広範な例ほどSADBE療法が効きにくい傾向があった.真に有効であるかどうかの判断は,数年以上の治療経過が必要と考えられる.効果不良ないし不十分な例ではSADBE療法のみでは限界があり,新たな治療法の工夫,開発が必要である.
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