Japanese
English
症例
交通事故による顔面外傷部に生じた皮膚ノカルジア症の1例
Cutaneous Nocardiosis Occurring after the Trauma of the Face Due to a Traffic Accident
髙橋 彩
1
,
高村 さおり
1
,
寺木 祐一
1
Aya TAKAHASHI
1
,
Saori TAKAMURA
1
,
Yuichi TERAKI
1
1埼玉医科大学総合医療センター,皮膚科(主任:福田知雄教授)
キーワード:
皮膚ノカルジア症
,
顔面
,
外傷
,
交通事故
Keyword:
皮膚ノカルジア症
,
顔面
,
外傷
,
交通事故
pp.1913-1916
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001694
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82歳,女性。既往に糖尿病がある。1年2カ月前に歩行中,車と接触しフロントガラスで右頰部を挫創した。その8カ月後に同部位より隆起性病変が出現し,徐々に増大した。初診時,右頰部に径3cm,表面やや紅色調,弾性硬の隆起性皮下硬結を認めた。病理組織学的に真皮から皮下組織に好中球,リンパ球,形質細胞を中心とする稠密な炎症細胞を認め,病変内にPAS染色で赤色,Grocott染色で黒色に染まる,類円形あるいは棍棒状の菌塊成分がみられた。培養でNocardiaを検出した。治療はミノサイクリン塩酸塩に加え,ST合剤を併用し結節は平坦化した。皮膚ノカルジア症は外傷部位に続発することが少なくないが,自験例のように遅発性に発症することもあり注意が必要と思われた。
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