Japanese
English
特集 角化症・炎症性角化症
腎移植後に生じたBowen病と鑑別を要した汗孔角化症の1例
Porokeratosis Requiring Differential Diagnosis from Bowen’s Disease in a Recipient of Renal Transplantation
石倉 祐貴
1
,
渡部 絢子
1
,
八田 順子
1
,
牛上 敢
1
,
望月 隆
1
Yuki ISHIKURA
1
,
Junko WATANABE
1
,
Junko HATTA
1
,
Tsuyoshi USHIGAMI
1
,
Takashi MOCHIZUKI
1
1金沢医科大学,皮膚科学講座(主任:望月 隆教授)
キーワード:
汗孔角化症
,
免疫抑制剤
,
腎移植
,
Ki-67染色
,
ダーモスコピー
Keyword:
汗孔角化症
,
免疫抑制剤
,
腎移植
,
Ki-67染色
,
ダーモスコピー
pp.593-596
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001339
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45歳,男性。25歳で腎移植を受け免疫抑制剤を内服中である。41歳から左示指基部に自覚症状のない鱗屑を伴う紅斑を認めた。Bowen病を疑い生検したが,病理組織所見では汗孔角化症が示唆された。臨床像は当初汗孔角化症としては非典型的と考えたが,術後にダーモスコピー所見を見直すと辺縁にperipheral rimを認めた。Ki-67染色では辺縁部だけでなく中央部でも基底層にびまん性に陽性細胞を認め,この増殖活性の高さから皮疹全体が増殖傾向を示す非典型的な臨床像になったと考えた。自験例は今後も免疫抑制剤を使用する予定であり,有棘細胞癌を生じる可能性が高かったと考えられる。また今後も慎重な経過観察が必要と考えた。
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