Japanese
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特集 角化症・炎症性角化症
悪性リンパ腫への自家骨髄移植後に生じた表在播種型汗孔角化症の1例
Disseminated Superficial Porokeratosis Following Autologous Bone-Marrow Transplantation for Follicular Large Cell Lymphoma
平岡 美樹子
1
,
上田 有希子
1
,
今門 純久
1
Mikiko HIRAOKA
1
,
Yukiko UEDA
1
,
Sumihisa IMAKADO
1
1日本赤十字社医療センター,皮膚科(主任:今門純久部長)
キーワード:
汗孔角化症
,
骨髄移殖
,
悪性リンパ腫
,
免疫抑制剤
Keyword:
汗孔角化症
,
骨髄移殖
,
悪性リンパ腫
,
免疫抑制剤
pp.9-12
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001747
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64歳,男性。26年前に悪性リンパ腫に対し自己末梢血造血幹細胞移植を施行した。全身の環状皮疹を主訴に当科を受診した。臀部,右腋窩,両膝窩に5~20mm大の辺縁に角化を伴う中央萎縮性の環状皮疹が計20個程度散在していた。病理組織検査でcornoid lamellaを認め,表在播種型の汗孔角化症と診断した。免疫抑制と表在播種型汗孔角化症の関連は知られているが,骨髄移植後の報告は調べ得た過去22年間で10例とまれである。また同種骨髄移植ではなく,自家骨髄移植のみで本症を発症したのは自験例が本邦初であった。このことから本症の発症には骨髄移植後の免疫抑制剤の使用のみならず,移植時の免疫低下や移植前の全身放射線照射が発症誘因となり得ると考えられる。
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