Japanese
English
特集 血管炎・血行障害
典型的な経過をたどった悪性萎縮性丘疹症(Degos病)の1例
A Typical Case of Malignant Atrophic Papulosis(Degos’Disease)
池村 渓伺
1,2
,
望月 隆
1
,
小島 清登
2
,
長谷川 啓
3
Keishi IKEMURA
1,2
,
Takashi MOCHIZUKI
1
,
Kiyoto KOJIMA
2
,
Hajime HASEGAWA
3
1金沢医科大学,皮膚科(主任:望月 隆教授)
2公立宇出津総合病院,皮膚科
3同,外科
キーワード:
悪性萎縮性丘疹症
,
Degos病
,
消化管穿孔
Keyword:
悪性萎縮性丘疹症
,
Degos病
,
消化管穿孔
pp.1697-1701
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001022
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82歳,男性。数カ月前から顔面を除く全身に,自覚症状に乏しい皮疹が出現した。ステロイド外用剤は無効であった。小腸潰瘍と腹膜炎のため開腹手術を受け,術後に当科を受診した。診察時,前胸部,頸部,四肢に10mm大までの丘疹が約30個散在していた。丘疹は中央が黄白色調に陥凹し,紅暈を伴っていた。病理所見で表皮は萎縮性で,真皮に膠原線維の変性,網状層の血管の血栓形成を認めた。当科受診2日後,腸管穿孔で再度開腹手術を受けた。術中所見では腸管穿孔と,空腸漿膜側に多発性の壊死巣を認めた。再手術後11日で敗血症のため永眠した。本疾患は皮疹が軽微であっても生命予後に大きく関わるため,皮膚科診療にあたり留意する必要がある。
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