Japanese
English
症例
インフリキシマブによる治療中に慢性炎症性脱髄性多発神経炎を発症した尋常性乾癬の1例
Infliximab-induced Chronic Inflammatory Demyelinating Polyneuropathy in a Patient with Psoriasis Vulgaris
濱田 薫
1
,
日野 亮介
1,3
,
澤田 雄宇
1
,
小畑 雅子
2
,
橋本 智代
2
,
中村 元信
1
Kaoru HAMADA
1
,
Ryosuke HINO
1,3
,
Yu SAWADA
1
,
Masako KOBATA
2
,
Tomoyo HASHIMOTO
2
,
Motonobu NAKAMURA
1
1産業医科大学,皮膚科(主任:中村元信教授)
2同,神経内科
3日野皮フ科医院,福津市
キーワード:
抗TNF-α抗体製剤
,
慢性炎症性脱髄性多発神経炎
,
CIDP
,
抗ガングリオシド抗体
Keyword:
抗TNF-α抗体製剤
,
慢性炎症性脱髄性多発神経炎
,
CIDP
,
抗ガングリオシド抗体
pp.236-240
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000579
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
63歳,男性。10数年前に近医で尋常性乾癬と診断された。外用療法,シクロスポリンの内服を行ったが効果に乏しく,インフリキシマブを導入したところ,2週で皮疹はほぼ消失した。しかし導入13カ月後,四肢の筋力低下と痺れが出現し,神経内科で慢性炎症性脱髄性多発神経炎と診断された。インフリキシマブを中止のうえ,免疫グロブリン大量静注療法を1クール施行したところ症状は消失し,現在に至るまで再発していない。皮疹に対しては外用と光線療法でコントロールしている。抗TNF-α抗体製剤による神経障害の発症機序は明らかになっていないが,① 末梢神経に対する自己抗体の産生,② 末梢神経の保護に働いているTNF-αが阻害された可能性などが推察されている。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.