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特集 実況! 私の診察室
慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)
Chronic Inflammatory Demyelinating Polyradiculoneuropathy: A Daily Clinical Practice
国分 則人
1
Norito KOKUBUN
1
1獨協医科大学脳神経内科
1Department of Neurology, Dokkyo Medical University
キーワード:
慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー
,
CIDP
,
デキサメタゾンパルス療法
,
dexamethasone pulse
,
EAN/PNSガイドライン
,
EAN/PNS guideline
Keyword:
慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー
,
CIDP
,
デキサメタゾンパルス療法
,
dexamethasone pulse
,
EAN/PNSガイドライン
,
EAN/PNS guideline
pp.257-262
発行日 2022年8月31日
Published Date 2022/8/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201834
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はじめに
今日わたしたちが診療している慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy:CIDP)は,非常に臨床的な特徴に基づく症候群である.急性・慢性進行性または再発性の対称性末梢神経障害で,再発回数と筋力低下の割に筋萎縮が軽いことを特徴とし,髄液蛋白上昇と末梢神経肥厚がみられる.筋力低下は伝導ブロックとそれに比べて程度の軽い軸索変性に起因し,副腎皮質ステロイドにより改善する例がある一方,減薬とともに再燃する症例もいる,という1958年にAustin2)が記した臨床像は,今日の典型的CIDPの臨床像にそのまま当てはまる.CIDPの診療は,今日においても基本的な臨床観察が診療の要である.本稿では,実際の診察室での経験をもとにCIDPを解説してみる.
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