特集 リンフォーマ・白血病
菌状息肉症様の経過をたどり14年間経過観察した皮膚型成人T細胞白血病/リンパ腫の1例
藤川 一穂
1
,
松浦 大輔
1
,
西尾 晴子
1
,
照井 正
2
,
早川 道郎
3
,
落合 豊子
1
1日本大学病院,皮膚科
2日本大学医学部,皮膚科学分野(主任:照井正教授)
3皮フ科早川クリニック,東京都中央区
キーワード:
成人T細胞白血病/リンパ腫
,
皮膚型
,
菌状息肉症
,
HTLV‒1
,
紫外線療法
Keyword:
成人T細胞白血病/リンパ腫
,
皮膚型
,
菌状息肉症
,
HTLV‒1
,
紫外線療法
pp.1217-1221
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000108
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69歳,男性。14年間皮膚型を呈し菌状息肉症様の経過をたどった成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)の1例。3 年前から,四肢・臀部に紅斑が出現し,生検の結果菌状息肉症と診断されPUVA 療法を行っていた。初診時血中に異型リンパ球はなくLDH 65 U/l,sIL‒2R 791 U/ml,HTLV‒1 陽性。初診から4 年目の紅斑部病理組織学的所見で真皮にCD4 陽性異型リンパ球の稠密な浸潤があり,Pautrier微小膿瘍(+)。病理組織からのHTLV‒1 provial DNA陽性。全身検索で異常なく,ATLL皮膚紅斑丘疹型と確定診断した。初診6 年後から全身に浸潤性紅斑局面が出現。11 年後からはその上に腫瘤が多発した。この時点でも血中に異型リンパ球はなくLDH 266 U/l,sIL‒2R 575 U/ml。PET-CTで全身に異常なく,PUVA療法に加えて電子線照射も併用し軽快。ATLL皮膚型のなかには自験例のように長期間病変が皮膚に限局し,局所療法で寛解する症例がある。
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