綜説
駆逐性出血の治療の現状
岩瀬 剛
1
1秋田大学医学系研究科眼科学講座
キーワード:
駆逐性出血
,
上脈絡膜腔出血
Keyword:
駆逐性出血
,
上脈絡膜腔出血
pp.245-249
発行日 2026年3月5日
Published Date 2026/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004587
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駆逐性出血(expulsive hemorrhage, suprachoroidal hemorrhage:SCH)は,眼科手術において最も重篤かつ破壊的な合併症のひとつであり,急激な眼圧低下を契機として短後毛様体動脈あるいは長後毛様体動脈が破綻し,上脈絡膜腔に急速な出血をきたす病態である1)。術中あるいは術後に発症し,重症例では網膜・脈絡膜の接触(kissing choroidals)や眼内容の脱出を伴い,視機能予後は極めて不良となる。一方で,近年の硝子体手術機器および周術期管理の進歩により,適切な初期対応と二期的手術戦略をとることで,機能的転帰を改善し得る症例も報告されている2)。本稿では,駆逐性出血の病態生理を踏まえ,急性期対応・外科的治療戦略について整理する。

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