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特集 小児眼科領域における診断と治療 最近の進歩
Ⅴ 網膜硝子体
1 遺伝性網膜変性疾患の診断と治療
Management of inherited retinal dystrophy
近藤 寛之
1
Kondo Hiroyuki
1
1産業医科大学眼科学教室
キーワード:
遺伝性網膜ジストロフィ
,
IRD
,
パネルシークエンス
,
遺伝子治療
,
RPE65
,
Leber先天黒内障
Keyword:
遺伝性網膜ジストロフィ
,
IRD
,
パネルシークエンス
,
遺伝子治療
,
RPE65
,
Leber先天黒内障
pp.992-998
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004312
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はじめに
遺伝性網膜ジストロフィ(inherited retinal dystrophy:IRD)は遺伝子変異によって網膜変性を生じる疾患の総称である。IRDはさまざまな年齢で発症するが,小児期に発症する疾患が多い。近年,網膜色素変性だけでなく錐体ジストロフィや先天停在性夜盲などさまざまな遺伝性の網膜変性疾患をIRDとしてまとめて扱うようになってきた(図1)1)。IRDには厳密な定義はなく,視細胞の変性を起こす疾患だけでなく硝子体変性や網膜剝離を呈する遺伝性疾患を含むこともある。日本では2023年にRPE65遺伝子変異によるLeber先天黒内障に対する遺伝学的検査と遺伝子治療が承認され,小児のIRDの診療は遺伝子医療を実装する時代に突入した。本稿ではRPE65遺伝子変異によるLeber先天黒内障を中心に,日本での小児のIRDに関する診断と治療の現況を概説する。

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