症例報告
若年者の再発翼状片手術・羊膜移植術に生理的組織接着剤を用いた1例
矢島 夢実
1
,
三田村 浩人
1
1川崎市立川崎病院眼科(神奈川県)
キーワード:
再発翼状片
,
生理的組織接着剤
,
ベリプラストⓇP
,
若年者
Keyword:
再発翼状片
,
生理的組織接着剤
,
ベリプラストⓇP
,
若年者
pp.551-554
発行日 2025年6月5日
Published Date 2025/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004182
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再発翼状片に対する結膜弁移植・羊膜移植術では,通常結膜・羊膜ともに多くの縫合を行うのが一般的であるが,今回我々は生理的組織接着剤(ベリプラストⓇP)を用いて無縫合で行った症例を経験したので報告する。患者は18歳女性。小学校6年生時から翼状片がみられ,X−2年5月に前医で翼状片切除術が施行された。再発したためX年3月に再手術を予定されていたが,転居に伴い当院紹介受診となった。翼状片は鼻側に厚い増殖組織を伴って角膜に侵入していた。X年8月に翼状片切除術および遊離結膜弁移植術,羊膜移植術を施行した。遊離結膜弁や羊膜を接着する際にベリプラストⓇPを使用した。術後,遊離結膜弁ならびに羊膜の偏位や脱落はなく,翼状片の再発もみられなかった。本方法は縫合による従来の方法と比較し,縫合による疼痛のみならず,術後の縫合糸による肉芽腫形成もないため,低侵襲で有用な術式であると考えられた。

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