特集 前部ぶどう膜炎アップデート
2 フックス虹彩異色性虹彩毛様体炎
竹内 大
1
1防衛医科大学校眼科学講座
キーワード:
フックス虹彩異色性虹彩毛様体炎
,
フックスぶどう膜炎症候群
,
併発白内障
,
続発緑内障
,
ぶどう膜炎
Keyword:
フックス虹彩異色性虹彩毛様体炎
,
フックスぶどう膜炎症候群
,
併発白内障
,
続発緑内障
,
ぶどう膜炎
pp.421-425
発行日 2023年5月5日
Published Date 2023/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003123
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本疾患は,1906年に当時オーストリアのウィーン大学医学部眼科教授であったErnst Fuchs(エルンスト・フックス)博士が慢性,肉芽腫性,片眼性の軽度前眼部炎症性疾患をフックス虹彩異色性虹彩毛様体炎(Fuchs heterochromic iridocyclitis)と名づけたことに始まり,近年では硝子体混濁もみられることからフックスぶどう膜炎症候群(Fuchs uveitis syndrome:FUS)とも呼ばれている。虹彩異色,虹彩毛様体炎,白内障を3主徴とするが,虹彩異色は虹彩実質の萎縮の結果として現れる所見であり,茶目や黒目のアジア人や黒人では現れにくい。わが国ではまれな疾患と考えられているが,日本人では虹彩異色がみられにくく前眼部炎症も軽度であるため,片眼性の原因不明の白内障として加療を受け,診断に至っていない可能性も少なくない。本項では,2022年に報告したわが国におけるFUSの特徴,有病率,病診連携について調査した多施設共同研究の結果を中心に述べていきたい。
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