特集 抗VEGF治療の進歩:選択と最適化
序論
飯田 知弘
1
1東京女子医科大学眼科学教室
pp.1-1
発行日 2025年1月5日
Published Date 2025/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004011
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本号の特集は,抗VEGF治療の最新情報です。本邦においては2008年に眼科用抗VEGF薬が新生血管型加齢黄斑変性に対して発売され,その後,さまざまな疾患に対する適応が拡大されてきました。抗VEGF療法は,新生血管型加齢黄斑変性,糖尿病黄斑浮腫,網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫,近視性黄斑部新生血管,未熟児網膜症などの患者における視機能の改善と維持に大きく貢献してきました。長らくラニビズマブとアフリベルセプトの2剤が使用されてきましたが,最近では,さまざまな特徴を持つ新規抗VEGF薬としてブロルシズマブ,ファリシマブ,高用量アフリベルセプト(8mg)が登場し,また,後続品としてラニビズマブバイオシミラーが承認・発売されるなど,選択肢が大きく拡がってきました。しかし一方で,実臨床においては,どの症例にどの薬剤を使用すべきか,どの投与方法が適切か,他の治療法との併用についてなど,迷う場面も増えてきています。
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