特集 未熟児網膜症アップデート
序論
飯田 知弘
1
1東京女子医科大学眼科学教室
pp.1-1
発行日 2023年1月5日
Published Date 2023/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002981
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本号の特集は未熟児網膜症(retinopathy of prematurity:ROP)の最新情報です。未熟児網膜症は早産により発達途上の網膜血管に生じる増殖性疾患で,血管が成長していない無血管領域から産生されたVEGF(vascular endothelial growth factor)により新生血管が生じます。新生血管により形成された線維結合織が収縮して網膜が牽引され網膜剥離に進展すれば,視力予後は不良となります。周産期医療の進歩により出生時体重が著しく軽い未熟児の生存率が上がり,重症な未熟児網膜症も増えてきました。一方で,未熟児網膜症に対する検査と治療の習得には十分な訓練が必要ですが,教育を受けることのできる施設が限られているという問題もあります。
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