特集 眼科外来診療 ―クリニックでの対応と紹介のタイミング―
Ⅴ ぶどう膜炎 4 ステロイドの点眼では充血と眼痛が治らない強膜炎の治療
原田 陽介
1
1広島大学大学院 医系科学研究科 視覚病態学
キーワード:
強膜炎
,
免疫抑制剤
,
非感染性強膜炎
Keyword:
強膜炎
,
免疫抑制剤
,
非感染性強膜炎
pp.1341-1346
発行日 2024年11月14日
Published Date 2024/11/14
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003893
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強膜炎は片眼または両眼の強膜に炎症を生じる疾患である。原因としては結核,帯状疱疹ウイルス,細菌感染などによる感染性強膜炎と非感染性強膜炎に分類することができる。また炎症の部位から前部強膜炎,後部強膜炎に分類することができる。非感染性強膜炎には関節リウマチや再発性多発軟骨炎など全身疾患に関連するものもある。感染性強膜炎に対してステロイドなどの免疫抑制治療のみを行うと症状は悪化するため,治療開始前に採血で結核や梅毒を除外しておくことが重要である。非感染性強膜炎の治療はステロイドの局所および全身投与が一般的ではあるが,治療効果が十分でない場合は免疫抑制剤の導入を考える必要がある。本稿ではステロイドの点眼では充血と眼痛が治らない強膜炎の治療について解説する。免疫抑制剤については本稿では日本の眼科医に一般的なシクロスポリンに加え,欧米で一般的な強膜炎治療薬であるメトトレキサート,ミコフェノール酸モフェチルに焦点を当てている。
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