特集 眼科外来診療 ―クリニックでの対応と紹介のタイミング―
Ⅳ 網膜硝子体 3 網膜静脈分枝閉塞症の見極め方
志村 雅彦
1
1東京医科大学八王子医療センター眼科
キーワード:
黄斑浮腫
,
抗VEGF薬
Keyword:
黄斑浮腫
,
抗VEGF薬
pp.1249-1255
発行日 2024年11月14日
Published Date 2024/11/14
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003874
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網膜静脈分枝閉塞症(branch retinal vein occlusion:BRVO)は,網膜静脈が視神経乳頭よりも末梢で閉塞する疾患であり,限局した火焔状出血の眼底所見を特徴とする比較的診断の容易な疾患であるといえる。一方で発症時の視機能は良好なものから0.1を切るものまでさまざまであり,予後も自然寛解するものから,再発を繰り返すものまで多岐にわたっている。視機能や,その予後に影響を与えるのは黄斑浮腫の発症とその程度に依存しているためであり,これは静脈閉塞による網膜血管のうっ血が視力を司る黄斑部に及んで浮腫を呈することで発症する。黄斑浮腫に対しては抗VEGF薬が有効であることが多く,特に抗VEGF薬治療が普及した現在,クリニックでも治療が行われることもあり,どのタイミングで紹介すべきか悩むことも多いと思われる。
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