COVID-19罹患後にacute macular outer retinopathy（AMOR）を発症した2例

COVID-19罹患後にacute macular outer retinopathy（AMOR）を発症した2例を経験したので報告する。症例1は28歳女性。COVID-19罹患2日後から左眼視野異常を自覚し，当科紹介受診。矯正視力は両眼（1.0）。近赤外光画像（NIR）で両眼傍中心窩に楔状の低反射領域，optical coherence tomography（OCT）で同部位の網膜外層に高反射変化，ellipsoid zone（EZ），interdigitation zone（IZ）の不整，OCT angiography（OCTA）で同部位の網膜外層の信号低下，Goldmann視野検査では左眼中心窩耳側に視野の沈下，多局所網膜電図で右眼中心窩鼻側と左眼中心窩耳側に振幅低下を認めた。経過と所見から両眼AMORと診断した。その後の経過で両眼EZ・IZは初診時と比較して明瞭化したが，症状は残存した。症例2は22歳女性。COVID-19罹患4日後に左眼視野異常を自覚し，当科紹介受診。矯正視力は両眼（1.0）。NIR，OCTAで左眼に症例1と同様の所見を，マイクロ視野計（MP-3Ⓡ）では左眼中心窩下鼻側で感度低下を認めた。左眼AMORと診断し，経過観察を行った。74日の経過でEZとIZは初診時と比較して明瞭化し，MP-3Ⓡの感度も改善した。マルチカラー画像，NIR，OCT，OCTAによりCOVID-19罹患後に傍中心暗点をきたしたAMORの2症例を診断できた。