綜説
細隙灯顕微鏡と生体染色検査を再考する
島﨑 潤
1
1赤坂島崎眼科(東京都)/東京歯科大学
キーワード:
細隙灯顕微鏡
,
生体染色試験
,
フルオレセイン
,
涙液
,
角膜上皮
Keyword:
細隙灯顕微鏡
,
生体染色試験
,
フルオレセイン
,
涙液
,
角膜上皮
pp.893-900
発行日 2024年9月5日
Published Date 2024/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003769
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他分野と同様に,角膜疾患の診断においてもAI(人工知能)の進歩が話題になっている。近年の報告によれば,1枚のディフューザーで撮影した前眼部所見をもとにしたAIの正答率は非常に高く,研修医はおろか角膜専門医と比較しても遜色がない。一方で,日常診療では多くの検査機器の出す結果に基づいた診療が行われている。自分の専門分野以外では,自分の眼底鏡所見よりもOCT(光干渉断層計)の結果をより信用するという傾向も筆者も含めまれではない。それでは眼科医にとっての基本中の基本の診断機器である細隙灯顕微鏡も,今後のAIの進歩によって使われなくなっていくのであろうか? 筆者の意見については最後に述べさせてもらうが,その前に細隙灯顕微鏡と,前眼部診療において欠かすことのできない生体染色検査の利点について述べてみたい。なお,本稿では教科書的な記載はできるだけ避け,日常診療において重要と思われる点について,写真を多用して述べていくこととしたい。
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