綜説
緑内障に対する神経保護と再生治療の可能性:最新情報
野呂 隆彦
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1東京慈恵会医科大学眼科学講座
キーワード:
緑内障
,
神経保護
,
神経再生
,
転写調節因子
,
マーモセット
Keyword:
緑内障
,
神経保護
,
神経再生
,
転写調節因子
,
マーモセット
pp.901-905
発行日 2024年9月5日
Published Date 2024/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003770
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緑内障は視神経の進行性変性を特徴とする疾患であり,日本における中途失明原因の第1位を占める。眼圧が正常範囲内にあるにもかかわらず進行する正常眼圧緑内障(normal tension glaucoma:NTG)が全体の約70%を占めているが,その病態は必ずしも明確ではない1)。一方,緑内障は眼圧降下以外に十分なエビデンスのある治療法がなく,一度進行した病態が回復することは見込めない。このような背景から,視神経の変性に対する直接的な保護治療や再生治療などの根本的な新しい治療法の確立が期待されている2)3)。本綜説では,緑内障に対する神経保護と再生治療の可能性について,最新の研究を紹介し,今後の展望を考察する。
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