症例報告
強膜菲薄化を伴ったIOL落下眼に対して経角膜硝子体切除術とIOL強膜内固定術を行った1例
太田 直道
1
,
松村 永和
1
1第二大阪警察病院眼科(大阪府)
キーワード:
経角膜硝子体切除術
,
眼内レンズ強膜内固定術
,
強膜炎
,
IOL luxation
,
transcorneal vitrectomy
,
scleral thinning
Keyword:
経角膜硝子体切除術
,
眼内レンズ強膜内固定術
,
強膜炎
,
IOL luxation
,
transcorneal vitrectomy
,
scleral thinning
pp.705-710
発行日 2024年7月5日
Published Date 2024/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003702
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リウマチ性強膜炎による強膜菲薄化を伴った眼内レンズ(IOL)落下に対し,経角膜硝子体切除術とIOL強膜内固定術を行ったので報告する。患者は70歳男性。左眼の難治性リウマチ性強膜炎の既往があり,ステロイドの内服・点眼加療を行っていたものの再燃を繰り返していた。左眼のIOL落下に対する手術加療目的で当院紹介受診となった。当院初診時の左眼視力は,裸眼0.04,矯正(1.0)であった。結膜充血・眼内炎症はみられなかったが,広範囲にわたって強膜が菲薄化しており脈絡膜組織が透見された。手術は,角膜輪部に27ゲージのトロカールを3つ設置し硝子体切除を行った後,落下IOLを摘出し,強膜菲薄部を避けてIOL強膜内固定術を行った。術後は一過性角膜浮腫および角膜内皮障害がみられたものの,術後視力は(1.2)と経過良好で,強膜炎の再燃もなかった。結膜や強膜に何らかの疾患がある症例,将来的に緑内障手術が見込まれる症例に対しては,経角膜硝子体切除術が有用であると考えられる。
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