特集 萎縮型加齢黄斑変性の現状
1 総論:日本人の萎縮型加齢黄斑変性の特徴
上田 奈央子
1
,
辻川 明孝
1
1京都大学大学院医学研究科眼科学教室
キーワード:
地図状萎縮
,
geographic atrophy
,
GA
,
アジア
,
サブタイプ
,
パキコロイドGA
,
reticular pseudodrusen
,
眼底自発蛍光
Keyword:
地図状萎縮
,
geographic atrophy
,
GA
,
アジア
,
サブタイプ
,
パキコロイドGA
,
reticular pseudodrusen
,
眼底自発蛍光
pp.625-630
発行日 2024年7月5日
Published Date 2024/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003692
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加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)の頻度には人種差があることが知られている。萎縮型AMDの頻度は白人では1.11%であり,アジア人では0.21%,ヒスパニックでは0.16%,黒人では0.14%である1)。日本人の疫学調査においては,萎縮型AMDは各スタディで0ないし1例認めるのみであり,pooled prevalenceを算出するとわずか0.024%(4/16,870例)である2)。また,後期AMDにおける新生血管型(滲出型)AMDと萎縮型AMDの割合も人種により違いがあることが知られている。白人では両者の頻度がほぼ同等3)であるのに対し,アジア人では萎縮型AMDは後期AMDの約3割であり,日本人では5%と非常に低い2)。
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