特集 萎縮型加齢黄斑変性の現状
3 診断
宮良 安宣
1
,
寺尾 信宏
1
1琉球大学大学院医学研究科 医学専攻眼科学講座
キーワード:
萎縮型加齢黄斑変性
,
地図状萎縮
,
geographic atrophy
,
ドルーゼン
Keyword:
萎縮型加齢黄斑変性
,
地図状萎縮
,
geographic atrophy
,
ドルーゼン
pp.641-649
発行日 2024年7月5日
Published Date 2024/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003694
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加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)は,高齢者における主要な失明原因のひとつである。萎縮型AMDは50歳以上の高齢者の黄斑部にみられる境界鮮明な地図状萎縮(geographic atrophy:GA)を特徴とする疾患で,加齢による網膜色素上皮(retinal pigment epithelium:RPE),Bruch膜の肥厚・変性が原因で視機能低下をきたすと考えられている。萎縮型AMDは滲出型AMDとともにAMD進行期の病型として分類されるが,日本では滲出型AMDと比べて疾患頻度が低く,また有効な治療法もないため,眼科医のなかでも診断を含めた疾患理解が十分に浸透しているとはいえない。本邦では2015年に厚生労働省網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班の萎縮型加齢黄斑変性診療ガイドライン作成ワーキンググループによって萎縮型AMDの診断基準が作成されており1),診断基準は視力,眼底所見,画像所見,除外規定,重症度分類から構成されている。本稿では診断基準に沿って,萎縮型AMDに特徴的な画像所見を提示しながらわかりやすく概説する。
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