原著論文
白内障手術前の涙道閉塞と緑内障点眼薬の使用
髙田 幸尚
1
,
住岡 孝吉
1
,
小門 正英
2
,
石川 伸之
2
,
雑賀 司珠也
1
1和歌山県立医科大学眼科学教室
2和歌山県立医科大学附属病院紀北分院眼科
キーワード:
緑内障点眼薬
,
涙道閉塞
,
白内障術前
,
glaucoma eye drop
,
lacrimal duct obstruction
,
pre-cataract surgery
Keyword:
緑内障点眼薬
,
涙道閉塞
,
白内障術前
,
glaucoma eye drop
,
lacrimal duct obstruction
,
pre-cataract surgery
pp.387-392
発行日 2024年4月5日
Published Date 2024/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003590
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目的
和歌山県立医科大学附属病院(当院)では白内障手術の術前に全例で涙道通水試験を行っている。そこで,白内障手術前の涙道閉塞と緑内障点眼薬の使用との関連を検討した。
対象と方法
当院で2017年1月1日から2018年12月31日の間に白内障手術の術前外来において涙道通水試験を行い,術前に緑内障点眼薬を使用していた196例(A群),同期間内で無作為抽出した緑内障点眼薬を使用していない295例(B群)を対象とした。A群の年齢は74.8±8.7歳,性差は男性94例,女性102例であり,B群の年齢は74.4±7.5歳,性差は男性126例,女性169例であり,2群間で年齢,性差に統計学的有意差はなかった。両眼が対象となる場合はすべて左眼に統一した。A群中で,緑内障点眼薬スコア1点は97例(A1群),2点以上は99例(A2群)であった。A群とB群,A1群とA2群,各々2群間での涙道閉塞の割合についてカイ二乗検定で比較検討した。
結果
涙道閉塞はA群,B群,A1群,A2群で各々2眼(1.0%),7眼(2.4%),2眼(2.1%),0眼(0%)であった。A群とB群,A1群とA2群の各々2群間で統計学的有意差はなかった。
結論
今回の対象となった症例については緑内障点眼薬の使用の有無ならびに使用数と白内障術前の涙道閉塞との関連が認められなかった。
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