綜説
点眼剤用保存剤およびその他の添加物のベネフィットとデメリット
門脇 玲太
1
,
長井 紀章
1
1近畿大学薬学部製剤学研究室
キーワード:
点眼剤
,
添加物
,
保存剤
,
ベンザルコニウム塩化物
,
薬剤性角膜症
Keyword:
点眼剤
,
添加物
,
保存剤
,
ベンザルコニウム塩化物
,
薬剤性角膜症
pp.161-166
発行日 2024年2月5日
Published Date 2024/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003519
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眼科領域における薬物療法の中心は点眼剤であり,非侵襲的かつ簡便な投与方法としてよく知られている。点眼剤の分類としては主薬が完全に溶解している「水性点眼剤」や水溶液中で分解しやすく不安定な薬物に適用される「用時溶解点眼剤」が挙げられる。これらに加え,主薬が固体状態で溶剤に分散している「懸濁性点眼剤」や脂溶性の溶剤により主薬を溶解した「油性点眼剤」があり,有効成分の水に対する溶解性や水溶液中での安定性に応じて分類されている1)。一般に,使用感や利便性,品質管理などの観点から水性点眼剤が最適とされるが,溶解度が低い薬物や溶液状態で不安定な薬物においては水性点眼剤の製剤化が難しく,その際には他の剤形で調製されている(図1)。
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