症例報告
後眼部形成異常を合併したAxenfeld-Rieger症候群の1家系
白井 久美
1,2
,
雑賀 司珠也
2
1橋本市民病院(和歌山県)
2和歌山県立医科大学眼科学教室
キーワード:
Axenfeld-Rieger症候群
,
前眼部形成異常
,
後眼部形成異常
,
Axenfeld-Rieger syndrome
,
anterior segment dysgenesis
,
posterior segment dysgenesis
Keyword:
Axenfeld-Rieger症候群
,
前眼部形成異常
,
後眼部形成異常
,
Axenfeld-Rieger syndrome
,
anterior segment dysgenesis
,
posterior segment dysgenesis
pp.1253-1261
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003362
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同一家系内で異なる虹彩異常を呈し,さらに後眼部形成異常を合併したAxenfeld-Rieger症候群の1家系を報告する。
女児のAxenfeld-Rieger症候群診断を契機に,母および兄もAxenfeld-Rieger症候群と診断された1家系であった。虹彩異常は症例ごとで左右とも多彩であったが,隅角鏡検査ではAxenfeld-Rieger症候群に特徴的な虹彩索状物,虹彩高位付着を全例に認めた。女児,兄,母の3例中,女児,母の2例に後眼部形成異常である上方視神経乳頭部分低形成を合併していた。また同じくこの2例に軽度の外斜視,上下斜視,不同視がみられた。全身合併症として,歯牙異常を全例に認めた。家系での発症より遺伝発症が示唆された。後眼部形成異常の合併より,本家系での原因因子は発生過程で時期・部位を変えて眼形成に関与していると考えられた。
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