特集 知っておきたい 眼科処置・手術の合併症対策と予防
Ⅰ 角結膜 8 角膜内皮移植後の移植片脱落
福井 正樹
1
1杏林大学医学部眼科学教室
pp.945-948
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003289
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角膜内皮移植は角膜パーツ移植のひとつ1)であり,もともと深層角膜を切除し,深部実質から内皮を移植するDLEK(deep lamellar endothelial keratoplasty)が1998年にMellesらにより報告2)され,その後,DSEK(Descemet stripping endothelial keratoplasty),DSAEK(Descemet stripping automated endothelial keratoplasty),DMEK(Descemet membrane endothelial keratoplasty)と進歩してきた。現在日本で主に行われている角膜内皮移植術はDSAEKとDMEKになる。簡単に術式を記す。DSAEKもDMEKも患者側のDescemet膜を移植片の大きさよりも大きい範囲で剥離する。DSAEKであればマイクロケラトームで深層切開し,DMEKであればDescemet膜剥離をし,患者の角膜径に合わせて約8~9mmサイズの角膜パンチで切開し,移植片を用意する。角膜創口を作成し,移植片を挿入器で前房内に挿入し展開する。展開し,位置を中央に設置した後に移植片の下にガス(通常空気やSF6)を注入し,移植片と患者角膜を接着させる。
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