今月の主題 血管新生
各論
VEGFと疾患とのかかわり
橋口 照人
1
,
丸山 征郎
1
Teruto HASHIGUCHI
1
,
Ikuo MARUYAMA
1
1鹿児島大学医学部臨床検査医学講座
キーワード:
VEGF
,
血管新生
,
血管透過性
,
血小板
Keyword:
VEGF
,
血管新生
,
血管透過性
,
血小板
pp.1617-1621
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904637
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VEGF(vascular endothelial growth factor)は,血管内皮特異的増殖因子で分泌型の糖蛋白である.強力な血管透過性亢進作用を有し,血管新生の全過程とのかかわりが深い重要な血管新生因子である.低酸素状態でVEGF mRNAが誘導され,内皮細胞の増殖や管腔形成を促進する.また正常の血管新生のみでなく,腫瘍内血管新生,糖尿病性網膜症,動脈硬化層,側副血行路,創傷治癒,慢性関節リウマチなどの病態の血管新生にも,VEGFは特に重要な役割を果たすことが推定されている.抗VEGF抗体やアンチセンスVEGFを用いて病的血管新生を抑え,癌治療などへの試みもなされつつある.また,VEGFの作用を応用して,虚血性疾患への治療にも応用されつつある.
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