原著論文
アイケアHOME手持眼圧計TA022を用いた自己測定および他者測定による眼圧値の比較
溝畑 英樹
1
,
生杉 謙吾
1
,
近藤 峰生
1
1三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座眼科学
キーワード:
アイケアHOME
,
自己眼圧測定
,
眼圧日内変動
,
iCare HOME
,
self-intraocular pressure measurement
,
intraocular pressure diurnal fluctuation
Keyword:
アイケアHOME
,
自己眼圧測定
,
眼圧日内変動
,
iCare HOME
,
self-intraocular pressure measurement
,
intraocular pressure diurnal fluctuation
pp.283-288
発行日 2023年3月5日
Published Date 2023/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003061
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目的
アイケアHOME手持眼圧計(アイケアHOME)による眼圧日内変動測定中に自己測定と診療従事者による他者測定を同時に施行した。それらの結果を比較しアイケアHOMEの精度や測定値の個体差等について検討する。
対象と方法
対象は健常人20例20眼(平均年齢40.8±8.6歳,男性12例・女性8例,全例左眼)。9時から17時まで1時間おきに計9回の眼圧測定を行った。各回ともまず診療従事者がアイケアHOMEを用いて眼圧測定を行い,その直後に同じアイケアHOMEにより被験者本人が自己測定を行った。それぞれの眼圧測定値を他者測定値および自己測定値とし比較検討した。
結果
9時から17時までのいずれの測定時間においても他者測定値と自己測定値に有意差はなかった(9時から順にP=0.55,P=0.91,P=0.92,P=0.14,P=0.06,P=0.06,P=0.34,P=0.10,P=0.34)が,全時間帯において自己測定値が他者測定値に比べ低い症例,逆に高い症例,ほとんど差がない症例など個体差がみられた。測定時間の経過とともに2つの測定値の差が小さくなるなど練習効果はみられなかった。
結論
アイケアHOMEによる自己測定値は診療従事者による測定と有意な差はないが,その測定結果には個体差があるため事前に傾向を把握するなど注意が必要である。
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