機器・薬剤紹介
63.医療用リアルタイム画像鮮明化装置MIEr(ロジック・アンド・デザイン)
井上 真
1
1杏林アイセンター
pp.271-276
発行日 2023年3月5日
Published Date 2023/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003059
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画像鮮明化技術は監視カメラから開発された技術である。逆光や夜間などの条件が悪い状況下でも画像を鮮明にするように設定されている。医療用に開発されたリアルタイム画像鮮明化装置(Medical Image Enhancer:MIEr,ロジック・アンド・デザイン社)のアルゴリズムは,リアルタイムで1画素ごとのダイナミックレンジの最適化を0.004秒で行い,ライブ画像の鮮明度を向上させるように設計されている。明るさが著しく変化する手術画像のダイナミックレンジは,ゲイン補正,ガンマ補正,トーンカーブ補正,ヒストグラム平滑化などの従来の方法によっても拡大できる。しかし,これらの方法は全体の明るさと暗さを均一に調整できるが,同じ画像の中に明るい部分と暗い部分が混在する画像を適正に調節することは困難である。HDR(ハイダイナミックレンジ)技術は,異なる露出の複数の画像を組み合わせて,同一画像内の明るい部分と暗い部分のダイナミックレンジのバランスを改善させる。しかし,画像内の部分的な曇りや全体的な霞みには対応できない。医療用リアルタイム画像鮮明化装置では,画像鮮明化アルゴリズムにより,コントラストの最適化と点拡がり関数(the point-spread function)を狭めて画像の解像度を回復させ,画質を向上させる。
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