トピックス
リアルタイム血漿分離装置
渡野 達朗
1
1自治医科大学附属大宮医療センター臨床病理部
pp.1381-1383
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905644
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はじめに
今日,臨床化学領域における自動化の進歩は,多項目・微量分析を可能にするとともに,高速分析を可能にした.その結果,コンピュータ化の急速な進歩とともに迅速化が進んでいる.そのことは診療支援体制の確立にも大いに機能している.さて,医療の場で迅速検査体制を構築する場合,それは患者サービスや効率化の観点からも,いかに診療現場にタイムリーに検査結果の報告ができるかどうかが重要な課題である.
迅速検査体制や診療前検査体制は,近年では多くの医療機関で実施されているが,臨床化学領域や免疫検査における検査材料は,ブィブリノゲンが失われていることと,血液凝固時に崩壊する血小板成分の汚染などの問題はあるものの,人為的変性を受けておらず,ほとんどの化学成分が自然の状態のまま存在しているなどの理由から血清試料の利用が一般的である1).しかし,血清試料を得るためには十分な凝固時間と遠心操作が必要となり,遠心操作というバッチ的処理は,今日の自動化などによる検査結果の迅速報告における1つの障害となっている.採血から分析に至るまでの時間を短縮するためには,凝固促進剤や血漿の利用などが効果的であるが,遠心操作を伴うために要する時間的問題がある.
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