増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
前立腺肥大症
抗アンドロジェン剤
今井 強一
1
,
山中 英寿
1
1群馬大学医学部泌尿器科
pp.168-169
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900892
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抗アンドロジェン剤の現況
前立腺がアンドロジェンの標的臓器であることより,前立腺癌と前立腺肥大症の治療に用いられてきたホルモン療法は,血中テストステロンを低下させる療法とアンドロジェンの作用機序を阻害する療法とに分類される。後者の作用を持つ薬剤を広義の意味で抗アンドロジェン剤と呼ぶ。抗アンドロジェン剤が登場した頃の薬剤がアンドロジェンとそのレセプターとの結合阻害を主作用としたためか,抗アンドロジェン剤とはこの結合阻害作用を有する薬剤を指し,何時の間にかこれが総称となった感さえある。本邦では,ステロイド構造を有する薬剤のみが保険適用となっているが,ステロイド構造を有しない抗アンドロジェン剤も近い将来には登場するであろう。また,5α還元酵素阻害剤の治験も進んでいるので,これも市場に登場する日が近いと思われる。これら,非ステロイド性抗アンドロジェン剤や5α還元酵素阻害剤は性機能障害が低い薬剤として期待されている。
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