特集 近視性牽引性黄斑症の診断と治療
2 近視性牽引性黄斑症のOCT画像診断
馬場 隆之
1
1千葉大学大学院医学研究院眼科学
キーワード:
病的近視
,
網膜分離
,
網膜剥離
,
黄斑円孔
Keyword:
病的近視
,
網膜分離
,
網膜剥離
,
黄斑円孔
pp.127-133
発行日 2023年2月5日
Published Date 2023/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003023
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強度近視眼では眼軸長の延長に伴い,さまざまな眼底合併症が生じる。近視性牽引性黄斑症は,後部ぶどう腫と呼ばれる眼球壁の後方への突出や硝子体による牽引によって,網膜病変を発症するものである。近視性牽引性黄斑症は,網膜分離から始まり,黄斑円孔,そして黄斑円孔網膜剥離へと進行する一連の疾患の総称である。近視眼底では,脈絡網膜萎縮により眼底の色調が黄白色調となり眼底観察が難しい。そのため初期病変である,網膜分離は検眼鏡による眼底検査だけでは正確に診断することは困難である。一方で,光干渉断層計(OCT)が普及した今日においては,OCTによる眼底3次元構造解析が日常的に多くの施設で行われており,網膜分離の診断は非常に容易になった。本項では,OCTによる近視性牽引性黄斑症の画像診断について解説していきたい。
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