増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点
11 緑内障
レーザー線維柱帯形成術
小島 祥
1
1熊本大学大学院生命科学研究部眼科学講座
pp.192-193
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213784
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
手術・治療の概要
レーザー線維柱帯形成術は,線維柱帯へのレーザー照射により房水流出率を改善するものとされており,正常眼圧緑内障を含む広義の原発開放隅角緑内障,落屑緑内障,高眼圧症,ステロイド緑内障,色素緑内障などが適応となる1)。最近は,線維柱帯のメラニン色素含有細胞のみをターゲットとするQスイッチ半波長Nd-YAGレーザーを使用した選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)が主流となっている。アルゴンレーザーを用いたレーザー線維柱帯形成術と比較して低侵襲で,合併症の発症率も少ない。眼圧下降効果は20〜30%程度で2),眼圧日内変動の低減も期待できる3)。点眼治療と比較した利点として,アドヒアランス不良や点眼薬による副作用の回避が挙げられる。効果減弱時に再照射することも可能である。合併症は,一過性眼圧上昇,虹彩炎,周辺虹彩前癒着などがある。また,ノンレスポンダーが30%程度存在することには注意が必要である4)。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.