綜説
緑内障配合点眼薬の種類
金森 章泰
1
1かなもり眼科クリニック(明石市)
キーワード:
緑内障
,
配合点眼薬
,
治療
,
眼圧
Keyword:
緑内障
,
配合点眼薬
,
治療
,
眼圧
pp.1059-1064
発行日 2022年11月5日
Published Date 2022/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002855
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
2022年7月現在,図1に示すように本邦で主に使われる緑内障点眼薬は9系統ある。緑内障治療はまず点眼薬単剤での治療開始が基本である。緑内障診療ガイドライン(第5版)において,「薬物治療の原則は必要最小限の薬剤と副作用で最大の効果を得ることである。そのためには,各薬剤の作用機序,副作用,禁忌を理解しておかなければならない」とされる1)。緑内障の進行に伴い,点眼本数は増えていくことになるが,「併用処方時には,薬理学的な作用点が同じ薬剤を選択してはならない」とされる1)。また,「EP2受容体作動薬とFP受容体作動薬も細胞内シグナルや房水流出促進作用機序が異なるが,併用は推奨されていない」ことも留意する1)。「多剤併用療法の際には配合点眼薬の使用により,患者のアドヒアランスやQOLの向上も考慮すべきである」とガイドラインには明記されているので1),緑内障配合点眼薬(以下,配合剤)は積極的な使用が望ましい。配合剤は8種類あり,FP受容体作動薬・β遮断薬(FP+β)が4種類,炭酸脱水素酵素阻害薬(CAI)・β遮断薬(CAI+β)が2種類,β遮断薬・α2作動薬(β+α2)とCAI・α2作動薬(CAI+α2)がそれぞれ1種類である(表1,図2)。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.