特集 あたらしい緑内障手術──どういう患者を紹介する?
序論
富田 剛司
1
1済安堂井上眼科病院(東京都千代田区)
pp.1-1
発行日 2022年1月5日
Published Date 2022/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002451
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新年最初の特集は「あたらしい緑内障手術」である。副題として,“どういう患者を紹介する?”となっている。実は,手術に関する特集テーマは,読者の多くが白内障手術は別としても,自身ではあまり手術に関わっていない方が多いためかあまり人気がないと聞く。かく言う筆者自身も,緑内障手術以外の眼科手術に関する解説についてはあまりよくわからず,敬遠してしまいがちなのが正直なところである。ただ,最近よく耳にするMIGS(minimally invasive glaucoma surgery)や緑内障レーザー手術について,患者の方から質問を受けることも筆者の経験では増えてきている。さらに,選択的線維柱帯形成術(SLT)については,レーザー装置を導入されている施設も増加傾向にあるように感じる。したがって,わが国でのMIGSの現状や新しいレーザー手術の正しい知識を眼科医皆が共有する必要はあると考える。最近では緑内障治療における早期の手術介入は,点眼薬長期使用による副作用の出現などを考えた場合,かえって有用であるとの考えもある。適切に症例を選択すれば,いたずらに点眼を増やすよりも患者にとって良い結果をもたらすかもしれない。そのためには,自身は手術を行っていなくてもどのような患者がその術式に適応があるかを知っていれば,適切なタイミングで患者を手術担当者に紹介することができるかもしれない。
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