特集 緑内障診断のためのOCT読影
序論
富田 剛司
1
1東邦大学医療センター大橋病院眼科
pp.1-2
発行日 2019年1月5日
Published Date 2019/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001011
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2019年の初頭を飾る最初の特集は「緑内障のためのOCT読影」である。昨今の光干渉断層計(OCT)の発展は,網膜疾患はもとより,緑内障診断の分野においても大きなインパクトを与え続けている。国際的な緑内障研究者の集まりである,Glaucoma Research Societyでは,緑内障の定義をOCTによる計測結果を踏まえたものにするべきであるとの見解から,その策定作業に入っていると聞いている。OCTは緑内障の定義にも影響を及ぼしはじめている。ただ,勘違いをしてはいけない。OCTは網膜の各層の厚みを精密に測定できる装置ではあるが,疾患を診断する装置ではない。OCTの計測結果をもとに疾患を診断するのは我々眼科医自身であることを忘れてはいけない。それゆえに,今回の特集のタイトルは,言葉のあやかもしれないが“OCT読影”であって,“OCT診断”とはなっていない。このことは十分に理解をお願いしたい。一方で,OCTのさらなる進化形として,OCT angiographyが登場している。これもこれまでの網膜疾患や緑内障診断の常識を打ち破りかねないポテンシャルを持った検査法となりつつある。
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