特集 覚えておきたい神経眼科疾患
Ⅰ.視神経疾患 2.抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎(NMOSD)
植木 智志
1
1新潟大学医歯学総合病院眼科
pp.1245-1250
発行日 2021年12月24日
Published Date 2021/12/24
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002403
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抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎は特発性視神経炎(典型的視神経炎)とは異なり,視機能予後が不良で再発が多く,非典型的視神経炎・難治性視神経炎の代表的疾患である。抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎診療ガイドラインによると1),血清中に抗アクアポリン4抗体が存在し,これを主たる病因として発症する視神経炎と定義されている。抗アクアポリン4抗体は視神経炎および急性脊髄炎を呈する視神経脊髄炎のバイオマーカーであり,2004年にLennonらにより発見された2)。この発見により視神経脊髄炎の研究は進歩し,現在は難治性の吃逆,急性脳幹症候群,急性間脳症候群などを含め視神経脊髄炎スペクトラム(neuromyelitis optica spectrum disorder:NMOSD)の疾患概念が提唱されている3)。NMOSDの診断基準に照らせば,サルコイドーシス,悪性腫瘍,慢性感染症が除外されれば,抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎はNMOSDとして診断される。
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